• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

相分離を利用するポリマーモノリスの新規作製法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21655081
研究機関大阪大学

研究代表者

宇山 浩  大阪大学, 工学研究科, 教授 (70203594)

キーワードモノリス / 多孔体 / 相分離 / アクリル樹脂 / ポリメタクリル酸メチル / ポリ乳酸
研究概要

貫通した孔と骨格(材料部分)から構成され、網目状の共連続構造をもつ一体型の多孔体成形体(モノリス)は高い通気性・通液性、高強度、高比表面積、軽量といった特性を示すため、次世代型多孔材料として注目されている。本研究では高分子溶液の相分離によるモノリスの新規合成法について検討した。先に見出したアクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチル)の含水エタノール中での相分離に基づくモノリス形成に関して相分離条件を詳細に検討し、モノリスの形成条件、モノリス骨格と相分離条件の相関を明らかにした。ポリメタクリル酸メチルの分子量は骨格サイズに大きく影響を及ぼし、分子量が大きいほど骨格が小さくなった。また、反応性のアクリルモノマーであるグリシジルメタクリレートをメタクリル酸メチルの共重合体からモノリスを作ることにより、エポキシ基含有モノリスを開発した。このモノリスは機能性モノリスの前駆体として有望である。バイオマスプラスチックの代表格であるポリ乳酸については、水/1,4-ジオキサン/アセトンの三元溶剤系の選択によりモノリスが得られた。骨格、多孔ともにナノサイズであることが特徴としてあげられ、多孔構造とサイズは溶媒の混合比に大きく依存した。熱誘起相分離法によるポリ乳酸多孔膜の報告例では1,4-ジオキサン/水が溶媒に用いられているが、この場合は孔径が数十ミクロンと大きく、多孔体としての成形が容易でない。この原因を相分離速度が制御されていないためと考え、第三成分溶剤の添加を検討し、ポリ乳酸に対する良溶媒(1,4-ジオキサン)、ポリ乳酸に対する貧溶媒(ポリ乳酸に相互作用しない溶剤、水)、ポリ乳酸との親和性を示すが溶解力のない第三成分溶剤(アセトン)の適切な選択により骨格及び孔のサイズを制御した。ポリ乳酸モノリスの空隙率は94%に達した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] 相分離を利用したナノ多孔体の作製と応用2009

    • 著者名/発表者名
      宇山浩
    • 雑誌名

      繊維と工業

      巻: 65 ページ: 272-276

    • 査読あり
  • [学会発表] 高分子ナノ多孔体-多様な用途開発に向けた新展開-2010

    • 著者名/発表者名
      宇山浩
    • 学会等名
      ソシオ大阪
    • 発表場所
      大阪商工会議所(大阪市)
    • 年月日
      2010-03-10
  • [学会発表] バイオプラスチックのナノ多孔体2009

    • 著者名/発表者名
      宇山浩
    • 学会等名
      近畿バイオインダストリー振興会議 第23回技術シーズ公開会
    • 発表場所
      大阪科学技術センター(大阪市)
    • 年月日
      2009-11-27
  • [学会発表] 相分離による高分子ナノ多孔体の開発2009

    • 著者名/発表者名
      宇山浩
    • 学会等名
      第58回高分子討論会
    • 発表場所
      熊本大学(熊本市)
    • 年月日
      2009-09-16
  • [産業財産権] 多孔質体2009

    • 発明者名
      宇山浩、辻本敬、岡達也
    • 権利者名
      大阪大学
    • 産業財産権番号
      特許、特願2009-112698
    • 出願年月日
      2009-05-07

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi