研究課題
本研究は、加速器からの高エネルギー電子ビームを用いた中赤外域自由電子レーザーの狭帯化法として、光の干渉性を利用した手法を研究するとともに、ビームスプリッタを用いた、中赤外域自由電子レーザー光の新しい取り出し法を試みるものである。当該年度においては、1)エネルギー理工学研究所に既存の共振器型中赤外自由電子レーザー(KU-FEL)の光共振器に、出し入れ可能なビームスプリッタを設置して干渉計の形成の準備を行った。また、本研究の推進の結果、ビームスプリッタ表面での光のロスが重要であり、実験的には更なるFEL増幅率が必要になる事が判明した。この対応のため、2)KU-FEL装置の光共振器に、日本原子力研究開発研究機構で使用していた、周期33mmで周期数52、K値1.5~0.1のアンジュレータを譲り受け、これをKU-FELに設置可能なように整備を行った。このアンジュレータの中赤外自由電子レーザー装置への本格的導入は、平成22年度に行う予定である。また3)数値計算による手法の確立を目指し、当研究グループで開発した、共振器型FELの増幅・発振に関する計算コードの拡張行った。更に4)新たに導入するアンジュレータを用いた場合のFELの特性について、本計算コードを用いて数値計算を行った。この結果、約2倍の増幅率の増加と1%を切るレーザー線幅が得られる事が分かった。なお、光共振器の光学系に関しては、まだ最適化が行われておらず、引き続き数値計算を行い、光学系の最適化を行って行く予定であり、更なるレーザー光の高性能化が期待される。
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Proceedings of Particle Accelerator Conference 2009
Proceedings of 31st International Free Electron Laser Conference
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