研究概要 |
計算科学・工学において問題解決環境(PSE(Problem Solving Environment))の研究が進展し,様々なPSEが研究開発され活躍している.製品開発や研究のための計算機シミュレーション手法が不可欠であり,シミュレーションを支援するPSE,プログラム生成支援PSE,教育においても教育支援PSE,グリッド/クラウドコンピューティングを支援するPSE,並列計算を支援するPSEなどが登場した.これらのPSEはそれぞれの問題に特有のシステムであるが,その一部の部品は複数のPSEで再利用可能であることもわかった。一方で様々なPSEが開発されるに伴い,PSE開発が多大な労力とコストを必要とするようになった.そこで,本研究では,PDE(偏微分方程式)問題解決やプログラミング教育支援などに分野を限ることで,PSE開発そのものを支援するためのPSEの研究を行った.今年度は,昨年までに開発したPDE問題用PSEや教育支援PSEをモジュール化し,共通に使えるモジュール部品を組み合わせることで,PSEを構築支援するメタPSEを構築した.このシステムをPSE Parkと呼び,分散計算機環境にモジュールを配置し,ユーザがモジュールをつなぎ合わせることで,新たなPSEを開発することを支援するPSE環境のフレームワークを研究構築した.今年度はPSE Parkフレームワークをスムースに利用できるよう利用者支援機能を中心に研究開発を行った.その成果を主催した国際会議及び国内学会でPSEセッションや研究会で発表討論した。今後の研究の発展につながる成果が得られた。
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