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2010 年度 実績報告書

ナノニードルアレイを用いたマスクレス微細金属パターン創成技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21656038
研究機関豊橋技術科学大学

研究代表者

柴田 隆行  豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10235575)

キーワードマスクレス微細パターニング / マイクロニードル / ナノニードル / 電気めっき / 微小流体制御 / MEMS / マイクロマシニング
研究概要

本研究では,MEMS技術によって作製した極微小な中空構造を有する酸化シリコン(SiO_2)製のナノニードルアレイを用いることによって,平面基板上でのパターン形成に限らず,自由曲面へのパターニングも可能となる新規な"マスクレス微細金属パターン創成技術"の確立を目的として実施した.得られた成果は以下のとおりである.
(1)静電引力を利用することで,極微小流体の高精度な吐出制御性が可能であり,吐出後も液体は基板表面との表面張力によって,ニードル外径とほぼ同程度の接触面積を維持することを示した.本提案技術によって,平均線幅3.4μm,平均高さ0.6μmの微細なNiラインパターンの形成が可能であることを実証した.さらに,マイクロニードルアレイを用いた基礎実験の結果から,めっき条件の最適化を行うことで,複数本のラインパターンを同時に形成できる可能性を示した.
(2)基板表面上への極微小量のめっき液の安定供給の妨げとなる水素発生の電流密度の閾値は,基板温度を増加させることで大きくできることを示した.さらに,基板温度の増加は,Ni析出物の緻密化へも効果的であることを示した.一方,基板温度を増加させることで,めっき液の粘度が著しく増加する現象が認められた.粘度の増加は,浴中のスルファミン酸ニッケル濃度が高いほど顕著であることがわかった.以上の結果から,均一なNiラインパターンを高能率に形成するためには,電流密度を水素発生の閾値以下とし,さらに,基板表面とめっき液の濡れ性を制御することが重要であることが明らかとなった.
(3)めっき液の過度の粘性増加は,基板表面との接触状態が断続的なものとなり,不連続なラインパターン形成の要因となる.しかし,この現象を適切に利用することで,立体的なNi微小構造体の形成が可能であることを示した.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] マスクレス微細パターン創成技術2010

    • 著者名/発表者名
      柴田隆行, 川島貴弘, 永井萌土
    • 雑誌名

      砥粒加工学会誌

      巻: 54 ページ: 644-647

  • [学会発表] マスクレス微細パターン創成技術2010

    • 著者名/発表者名
      柴田隆行, 永井萌土, 川島貴弘
    • 学会等名
      第41回中部化学関係学協会支部連合秋季大会
    • 発表場所
      豊橋
    • 年月日
      2010-11-06
  • [学会発表] Development of Maskless Patterning Technique Based on Electroplating with Microneedle Array2010

    • 著者名/発表者名
      R.Oka, T.Shibata, T.Kawashima, T.Mineta, E.Makino
    • 学会等名
      The 5th Asia-Pacific Conference on Transducers and Micro-Nano Technology (APCOT 2010)
    • 発表場所
      Perth, Australia
    • 年月日
      2010-07-08

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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