研究概要 |
まず,初年度に設計・製作した,先端部をレンズ状に加工した光ファイバプローブによる超高解像度LIFプローブを用いて高シュミット数軸対称乱流噴流の予備計測を行った.実験装置には初年度に製作した水槽およびトラバース装置を利用した.その結果,当初用いる予定であった小型レーザではレーザ光強度が不足しているため十分な出力が得られないことが判明した.そこで,ファイバのコア径を大きくするとともに,高出力レーザに変更して実験を行った.また,昨年度に構築したLIF処理アルゴリズムを用いて格子乱流中の高シュミット数スカラー拡散場の計測を行い,LIF計測における入射レーザ光の時間変動,量子収率変化,蛍光消光の影響を個別に評価した.その結果,計測結果に及ぼすこれらの影響が無視できないことが明らかになったので,光ファイバプローブによるLIF計測においてもこれらの要因を補正するアルゴリズムを組み込む必要があることがわかった.化学反応を伴う乱流の計測については,吸光プローブと熱膜流速計を組み合わせることにより,軸対称噴流拡散場において反応物質と生成物の瞬間濃度と二成分瞬間速度の同時計測を行った.計測データから各種乱流統計量を評価するとともに,化学反応を伴う乱流のモデルとして提案されている条件付きモーメントクロージャー法の検証を行った.この吸光プローブを本研究で開発したLIFプローブで置き換えて計測を行い,超高解像度での実験結果を提出することが今後の課題である.
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