研究概要 |
近年,ナノ,マイクロスケールの物理化学に関連する基礎研究が進み,ナノファブリケーションが工学の基本的な,横断的技術として重要になりつつある.本申請の目的に従い,平成22年度は,平成21年度に実施したカンチレバーによる微小粒子の機械的パラメトリック共振による操作の可能性の結果を踏まえ,MEMS共振器の振動モードの検証とその共振切り替え制御の検討,及びマクロなパラメトリック振子をもしいた振動からエネルギーを回収する機構のメカニズムについて実験的検討を行った.その結果,非線形MEMS共振器において特異なヒステリシス特性存在し,広い解の共存領域を持つデバイスの製作が可能である事を示した.これを受けて,共存する共振解が制御入力により切り替え可能である事を数値的に示し,メモリー等への機械共振機構の利用が可能であることを示すと共に,構造に適した制御法の検討を行った.一方エネルギー回収機構に関しては,マクロな系において,上記切り替えと同じ時間遅れフィードバックによりパラメトリック振動子の共振モードの切り替えを実現し,より大きなエネルギーの回収が可能なモードを励振することが可能である事を示した.これらにより,非線形振動子に共存する解の切り替えによりエネルギー回収を実現する機構の開発への手がかりを得た
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