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2009 年度 実績報告書

ナノ磁区構造を利用した磁気トラップ型光触媒デバイス

研究課題

研究課題/領域番号 21656093
研究機関名古屋大学

研究代表者

岩田 聡  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60151742)

研究分担者 加藤 剛志  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50303665)
キーワード垂直磁化膜 / 大勾配磁気分離 / マイクロ流路 / 光触媒 / 磁区制御 / ヘミン
研究概要

本年は,ナノ磁区構造をもつ磁性薄膜への常磁性分子の吸着について検討を行った。ナノ磁区構造をもつ磁性薄膜として,まず,Co/Pt多層膜を3元スパッタリング装置で作製した。作製したCo/Pt膜を磁気力顕微鏡で観察したところ,磁区幅200~400nmの迷路磁区構造をもっていることが確認できた。Co/Pt膜は,1000emu/cc前後の飽和磁化を持つため,表面には非常に大きな磁界勾配が生じていることが分かる。この磁界勾配ももつ表面に吸着させる分子として,ヘミンを選んだ。ヘミンは,分子量652で,分子の中心にFeイオン1個を包含している。ヘミンの粉末を振動試料型磁力計で,測定したところ,常磁性を示すことが確認された。ヘミンを希釈したアンモニア水に溶解して,この溶液にCo/Pt膜を浸して,乾燥後に,原子間力顕微鏡で表面観察を行った。その結果,成膜直後のCo/Pt表面の凹凸が,0.3nm程度であるのに対して,ヘミン溶液に浸した後の表面には,1nm以上の凹凸があり,ヘミンが吸着しているものと考えられた。このヘミンの吸着が,磁力に因るものか,単に表面に付着したものかを判別するために,迷路磁区構造をもつ成膜状態のCo/Pt膜を電磁石中で磁界を加えて,磁化を飽和させた状態として,ヘミン溶液に浸して,表面を観察したところ,表面の凹凸の増加は,わずかであり,迷路磁区構造をもつCo/Ptの場合とは,有意の差が認められた。ヘミンが,磁界勾配の大きい磁壁に沿って付着するとすれば,磁区構造とよく似た表面形状が観察されるべきであるが,これに関しては,今のところ不確かであり,今後,Co/Pt膜の磁化の大きさと,表面の関係などを評価する必要がある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Planar patterned media fabricated by ion irradiation into CrPt3 ordered alloy films2009

    • 著者名/発表者名
      T.Kato, Y.Yamauchi, S.Iwata
    • 雑誌名

      J. Appl. Phys. 105

      ページ: 07C117-1-3

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Perpendicular anisotropy and microstructure of MBE-grown FePt-Ag and FePt-MgO granular films2009

    • 著者名/発表者名
      R.Ikeda, M.Kagami, T.Kato, S.Iwata, S.Tsunashima
    • 雑誌名

      J. Magn. Soc. Jpn. 33

      ページ: 493-497

    • 査読あり
  • [学会発表] MBE成長したFePt-AgおよびFePt-MgOグラニュラー膜の構造と垂直磁気異方性2009

    • 著者名/発表者名
      池田遼太, 加藤剛志, 岩田聡
    • 学会等名
      第33回日本磁気学会学術講演会
    • 発表場所
      長崎大学
    • 年月日
      2009-09-12
  • [学会発表] イオン照射型CrPt3パターン膜のMFM観察2009

    • 著者名/発表者名
      大島大輝, 加藤剛志, 岩田聡
    • 学会等名
      第33回日本磁気学会学術講演会
    • 発表場所
      長崎大学
    • 年月日
      2009-09-12

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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