研究課題
本研究では室温で動作する薄膜磁界センサにより脳磁界(脳から発生する微弱磁界)を計測することを目的とする。申請する薄膜磁界センサは磁性薄膜の透磁率変化を表皮効果、強磁性共鳴を利用してインピーダンス変化として取り出すもので、室温で動作する磁界センサとしては最も高感度なものと考えられる。本研究では集積化薄膜磁界センサを開発し、センサヘッドを差動化することでノイズレベルの低減と磁界検出分解能の向上を目指す。センサ素子は磁性薄膜(CoNbZr薄膜あるいはアモルファスCoFeSiB薄膜)、Cuによるコプレーナライン、SiO_2による絶縁膜をすべて薄膜プロセスにより一体化した集積化薄膜磁界センサを作成した。このセンサヘッドと頭部を固定するガントリを試作し、磁気シールドルーム内で脳磁界の計測可能なシステムを構築した。11Hz付近の交流磁界に対するセンサ素子の磁界検出分解能は約1pTを得た。健常者後頭部に磁界センサを近接配置し、センサの出力信号はDMTD(Dual Mixer Time Difference)回路による高感度位相計測回路により計測した。センサの出力信号はバンドパスフィルタにより脳磁界(自発磁界α波)の周波数帯域の10~13Hz程度に設定し、α波と似た波形が観測された。
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Interface Oral Health Science 2009
ページ: 329-331
Nuclear Inst.and Methods in Physics Research, A
巻: vol.624, issue3 ページ: 554-559