研究概要 |
高温環境における地盤挙動の長期(数年間)の計測技術と間隙水が蒸散する高温環境(100℃超)における地盤挙動を予測する方法の確立を目指して、以下に示す2テーマについて研究開発を行った。 【テーマ1】埋め込み式センサー(コアセンサー)と取替え式計測システムの開発 1、埋め込み式センサー(コアセンサー)を埋設した人工岩盤ブロックをヒーター付の恒温水槽に入れて熱履歴を与え、適宜、弾性範囲内で載荷試験を行う実験を行い、データの補正方法や熱処理の影響を検討した。その結果、ひずみの計測結果に及ぼす温度の影響を補正する方法を確立した。また、ひずみの計測に熱履歴の影響があることを発見し、設置前にセンサーに熱履歴(焼き鈍し)を与える必要があることを明らかにした。 2、取替え式計測システムのプローブについて、計測用のボーリング孔を模擬した円管内において磁力検知方式の駆動機構について基本的な性能を検討した。その結果、マーカー位置の検出精度が軸方向に対して0.1mm程度であること明らかにした。 3、ヒーター温度が120℃までの岩盤加熱実験をSTUD(東急建設(株)の地下実験場)で実施した。計測結果の分析は平成22年度に行う。また、載荷実験を室内で行うため、コアセンサーを含む柱状の地盤試料(直径10cm,高さ120cm)をダイレクト・ボーリングにより採取した。 【テーマ2】高温履歴を受ける地盤の長期挙動予測技術の開発 1、従来の熱-水-応力の連成解析プログラム(LOSTUM)において考慮されていなかった間隙水の蒸散を、モデルに組み込む改良を行った。
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