研究課題/領域番号 |
21656139
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
萩島 理 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 准教授 (60294980)
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研究分担者 |
谷本 潤 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (60227238)
成田 健一 日本工業大学, 工学部, 教授 (20189210)
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キーワード | ヒートアイランド現象 / 粗面乱流 / 熱フラックスの非定常計測 |
研究概要 |
高周波数でのサーモカメラの連続測定により凹凸を有する粗面のごく近傍における乱流組織構造の非定常的挙動を可視化する手法の確立を目標として、測定周波数5~10Hz程度でのサーモカメラの屋外観測への適用を行うための基礎的検討を行った。まずは、九州大学筑紫キャンパスの芝生の中庭において、黒色塗装した銅板を貼り付けた断熱板を設置し、その放射温度分布の測定を行った。加えて、サーモカメラによる熱画像データの物理的意味を考察するため、超音波風速温度計をグランド上1m高さに設置し、10Hzで同時計測を行った。このデータから3成分流速及び温度の諸統計量(標準偏差、歪度、尖度、スペクトル)を求め、同じ時間帯の熱画像データとの基礎的な検討を行った。更に、平板上に同じく黒色塗装した模型ブロックを設置して、同様の測定を行った。この段階で、高周波数で連続撮影した膨大な熱画像データのハンドリング(PCへのデータ転送手法や、粗解析の手法)についても検討を行っている。 次いで、コンクリート立方体の並ぶ準実大都市模型COSMOにおける観測のための予備検討として、立方体屋根面近傍7mmの距離に8×25点,計200点の細線熱電対を設置し、10Hzで同時計測を行うことで、粗面近傍温度の時空間分布を得た。この結果から、上空風が1m/s以下の不安定条件においてサーマルの間欠的な発生とサーマルの移動現象を可視化することに成功した。また、壁面近傍においても同様に多点で高周波数計測を行い、加熱壁面の影響を受けた高温空気塊がキャノピー内の渦により輸送される様子を確認した。
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