研究課題/領域番号 |
21656156
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
井奥 洪二 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (60212726)
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研究分担者 |
上高原 理暢 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教 (80362854)
渡邉 則昭 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教 (60466539)
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キーワード | マイクロチューブ / アパタイト / セラミックス / 水熱 |
研究概要 |
水酸アパタイト(Ca_<10>(PO_4)_6(OH)_2)の特徴を活かす材料として、内側も外側もa面と呼ばれる特定の結晶面を露出したチューブ状の水酸アパタイトを創製できれば、従来にないDrug Delivery System(DDS)や高効率の化学物質回収材料等として応用展開できる可能性がある。本年度は、結晶面を制御した水酸アパタイト粒子の合成に適した方法である水熱法を用い、水酸アパタイトマイクロチューブの創製を試みた。これまでにリン酸三カルシウム(Ca_3(PO_4)_2)を水熱処理することにより、柱状の水酸アパタイトが得られることを明らかにしている。この知見を基に、この反応系において水酸アパタイトの結晶核生成を誘起する物質を共存させ、その物質上での核形成をコントロールすることによって、チューブ状の水酸アパタイトを合成することを試みた。ある一定量の酸化チタンのナノ粒子をリン酸三カルシウム粉末と混合し、この混合粉末からなるペレットを水熱蒸気処理した。水熱処理後のペレット表面を観察すると、柱状の水酸アパタイト粒子に混ざって、水酸アパタイトマイクロチューブも生成していることを発見した。この結果は、本方法が水酸アパタイトマイクロチューブの合成方法の一つとなりうることを示している。さらに、混合粉末からなるペレットに対して、紫外線照射を予め施してから水熱蒸気処理を行うことによって、マイクロチューブの生成量が増大した。これは、酸化チタンの光触媒活性がマイクロチューブの生成を促進したことを示し、この成果はマイクロチューブの大量生産や、生成メカニズムの解明につながると期待できる。
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