本研究では高エネルギーX線を用いて重い金属元素を主成分とする金属ガラスのバルク試料の内部の歪分布状態を評価する事により、バルク金属ガラス中の歪分布と力学的な特性の関係を調べた。114keVのX線によって当初提案したスキャン法による検討をおこなった結果、ビームサイズは出発条件である40μmΦで十分である一方、厳密なスリットスキャン法は測定時間上実用的な強度でないことがわかった。測定結果を弾性変形下の梁材による人工的な歪勾配に対応する歪シフトを標準データとする検証から、シャルピー衝撃吸収エネルギーが特異的に大きくなる試料に対しても内部のマクロ歪分布が有意な不均一性をもって影響を与えている可能性は否定された。
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