研究課題/領域番号 |
21656174
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中嶋 英雄 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (30134042)
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研究分担者 |
鈴木 進輔 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (10437345)
多根 正和 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (80379099)
井手 拓哉 大阪大学, 産業科学研究所, 特任助教 (40507183)
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キーワード | ガス化合物 / 水素化物 / 窒化物 / ポーラス金属 / 一方向凝固 / 気孔率 / アルミニウム / 銅 |
研究概要 |
暴爆性高圧水素ガスを用いずに、水素化物などのガス化合物粉末を溶融金属に添加してロータス型ポーラス金属を作製する方法(ガス化合物熱分解法)を確立し、ロータスアルミニウム、銅および鉄とそれらの合金を作製することを本年度の主たる目的として研究が行なわれた。ガス化合物としてCa(OH)2,NaHCO3,TiH2を用いた結果、いずれの化合物でもロータスアルミニウムが作製でき、気孔のガス分析の結果、水素が気孔を形成することを明らかにした。気孔率は20%程度、気孔サイズは200~1000μm程度であった。0.04MPaのアルゴン雰囲気より減圧させることによって気孔率、気孔サイズとも増加した。これらはボイルの法則で説明できることが分かった。 TiH2のガス化合物を用いて0.1MPaアルゴン雰囲気下でロータス銅を作製することができた。200gの銅に0.1gのTiH2を添加すればロータス銅が作製され、それ以上のTiH2の粉末を添加しても気孔率や気孔サイズは変わらなかった。このことは溶融金属中での最大溶解度に相当する水素化物を添加すれば多孔質化には十分であることを示している。アルゴン雰囲気圧力を0.5MPaまで昇圧させて調べた結果、圧力の増加と共に、気孔率、気孔サイズ共に減少した。この結果はボイルの法則で説明された。 ガス化合物としてクロム窒化物を用いた連続帯溶融法によって、ロータス鉄を作製した。鉄を溶融させるための昇温速度に依存してクロム窒化物の熱分解速度が変化しそれによって気孔の生成の仕方が変わってくることを明らかにした。多孔質化にはCr2Nが有効であることを明らかにした。 その他、水分を用いてロータスアルミニウムを作製できることも明らかにした。
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