本年度(~平成23年3月31日)の研究実施計画 噴射された融滴が単純に落下すれば、融滴は無接触であるため容易に凝固を開始しない。そのために融滴内の過冷度は急激に上昇することとなり、それゆえにある時点で多数の凝固核が発生し、得られた粒子は非常に微細化された多結晶粒子となる。そこで、融滴内の過冷度が高くなる前の適切な過冷度において人為的に凝固を開始させれば少数核のみが発生し、その結果得られた凝固粒子は数個の結晶粒から構成される、つまり高結晶性であると考えられる。さらに、核発生と過冷度を厳密に制御し、単一の核のみを発生させて凝固に至れば単結晶粒子が実現できる。 噴射された融滴の温度を決定するのは、落下初期の雰囲気温度および落下速度に関するパルス圧力である。そこで落下軌道の雰囲気を制御加熱すること、およびパルス圧力をより精密に制御することにより、融滴内の温度の制御を行い、それとともに、核発生を促す事を試みた。(1)高結晶性半導体粒子の作製実験を行い、粒子作製に関するデータ、凝固に関するデータを収集し、その検討結果をフィードバックし実験方法の改良を行った。半導体材料はゲルマニウムを主として用いて検討した。 (2)OIMにより、結晶性を評価し、核発生誘引装置の有効性を明らかにしたうえで、高結晶化凝固メイカニズムについて検討した。また、単結晶化の可能性についても考察した。
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