研究課題/領域番号 |
21656188
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
辻 伸泰 京都大学, 工学研究科, 教授 (30263213)
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研究分担者 |
寺田 大将 京都大学, 工学研究科, 助教 (80432524)
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キーワード | メカニカルアロイング / 巨大ひずみ加工 / high pressure torsion / 過飽和固溶体 / 混合のエンタルピー変化 / アモルファス / 構造解析 / 塑性変形 |
研究概要 |
種類の異なる純金属の接合体に対して、対数相当ひずみ100以上に及ぶ巨大ひずみ加工(HPTプロセス)を室温で施し、バルクメカニカルアロイングの進行に伴う化学組成と微視構造の変化を観察する。平衡熱力学において導かれる混合熱(混合のエンタルピー変化)が大きな負の値から大きな正の値にまで種々異なる異種金属の組合せを選択することにより、原子レベルの混合(合金化)と構造変化に及ぼす混合熱の影響を明らかにする。従来の液相凝固ルートでは作製することのできない、正の混合熱を持つ非晶質(アモルファス)合金を創製し、そうした全く新しい物質の物性探索の端緒をつけることを目的として研究を行なった。平成21年度は、絶対値は小さいが正の混合熱を有する組み合わせであるCuとAgの接合体に対してHPT法による巨大ひずみ加工を施した。相当ひずみ100以上の巨大ひずみ加工により、バルクメカニカルアロイングが生じ、ほぼ均一な過飽和固溶体が生じることが明らかとなった。X線回折結果は単一のブロードなハローピークを示し、少なくともX線的には非晶質が形成されていることを示唆した。すなわち、正の混合熱を有する異種金属の組み合わせであっても、バルクメカニカルアロイングによれば非晶質が形成される可能性が初めて明らかとなった。一方、平行して行なった実験により、凝固ルートで金属ガラスが形成されるCu-Zr系、Cu-Zr-Al系の場合には、HPTによるバルクメカニカルアロイングによって、原子レベルの混合の後、非晶質(金属ガラス)が形成されることを確認した。
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