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2009 年度 実績報告書

自己伝播合成反応プロセスにおける微細組織の予測シミュレーション法の考案

研究課題

研究課題/領域番号 21656192
研究機関北海道大学

研究代表者

大野 宗一  北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30431331)

キーワード自己伝播触媒反応 / シミュレーション / 粉末冶金
研究概要

純物質や合金の粉末を混合し、ある温度まで加熱すると、粉末間で化合物の合成反応が始まる。そして、その合成反応に伴う生成熱が未反応粉末間の反応を促進することで反応が連鎖的に伝播して瞬時に生成物が作製される。この反応は自己伝播燃焼合成(SHS)と呼ばれる。SHS法は、新規化合物を製造する方法、また低コスト・低エネルギーの材料製造法としての発展が期待されている。しかしながら、SHS法で得られる生成物における微細組織の形成機構は詳細に明らかになっておらず、組織の形態・サイズをコントロールできるに至っていない。本研究では、SHS反応プロセスにおける微細組織の経時変化を予測するシミュレーション法を考案・確立することを目的とする。具体的には、フェーズフィールド法をベースとするSHS反応における非平衡パターン形成のシミュレーション方法を発展させることを目的とし、1)燃焼合成時における合成反応の自己伝播過程のシミュレート、2)合成反応から生成物形成、そして最終的な微細組織の予測シミュレート、を可能にすることを試みる。平成21年度において、Ti-C-Fe溶液中からTiC化合物が晶出する過程を定量的にシミュレートしえるようにフェーズフィールド法を発展させた。多相凝固を扱うフェーズフィールド法における既存の問題点(界面における過剰相の安定化、過剰な溶質捕捉現象)を、自由エネルギー汎関数の修正及びantitrapping currentと呼ばれる濃度場補正項の導入により解決した。これによって、拡散係数、界面エネルギー等の適切な物性値を与えれば、燃焼合成反応(SHS)後の液体状態からの冷却過程で形成する最終組織を予測する方法が構築されたといえる。すなわち、上記2)を可能にする方法を構築した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 合金凝固の定量的フェーズフィールドシミュレーション2009

    • 著者名/発表者名
      大野宗一、松浦清隆
    • 学会等名
      第19回日本MRS学術シンポジウム
    • 発表場所
      横浜情報センター(横浜)
    • 年月日
      2009-12-07
  • [学会発表] 多相凝固過程の定量的フェーズ・フィールド・シミュレーション2009

    • 著者名/発表者名
      大野宗一、松浦清隆
    • 学会等名
      第22回計算力学講演会
    • 発表場所
      金沢大学(金沢)
    • 年月日
      2009-10-10
  • [学会発表] Combustion Synthesis of Titanium-based Cemented Carbides2009

    • 著者名/発表者名
      K.Matsuura, K.Kojima, T.Tanaka, M.Ohno
    • 学会等名
      THERMEC'2009
    • 発表場所
      Maritim Hotel(Berlin、Germany)
    • 年月日
      2009-08-29

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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