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2011 年度 実績報告書

細孔入口径可変型吸着剤の開発とその温度応答性分離システムへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 21656198
研究機関秋田大学

研究代表者

村上 賢治  秋田大学, 工学資源学研究科, 准教授 (10272030)

キーワードメソポーラスシリカ / 感温性高分子 / イオン交換 / 有機無機複合体 / ゾルゲル法 / 分子ふるい
研究概要

本年度は,感温性高分子の一種であるポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM)をメソポーラスシリカ外表面上に固定化することによって温度応答性陰イオン交換体を合成し,その温度応答性の制御を架橋剤であるN,N'-メチレンビスアクリルアミド(BIS)を添加することによって行った。合成した吸着剤の構造はX線回折,FT-IR,TG,元素分析,窒素吸着装置を用いて評価された。また,吸着剤の吸着特性(吸着量や吸着速度)は種々の温度でのメチルオレンジ吸脱着量を測定することで評価された。BISを添加しない場合,低温では溶液pHの変化に伴い,メチルオレンジは可逆的に吸脱着を繰り返し,高温では溶液pHとは無関係に吸脱着しなくなった。その相転移温度を測定した結果,30~35℃の間にあることが明らかとなった。PNIPAMにBISを5wt.%添加した場合,メチルオレンジの吸脱着挙動はBIS無添加の場合と非常に類似していたが,その相転移温度は異なり,35~37℃の間にあることが分かった。更にBIS添加量を10wt.%まで増加させた結果,相転移温度は35~40℃の間にまで上昇した。この結果から,架橋剤添加量を変化させることにより,温度応答性を発現させる温度を制御することが可能であることが分かった。、次に25℃でのメチルオレンジの吸着速度をFickの拡散方程式を用いて求めた。拡散係数の値は,BIS無添加の場合,2.0×10^<-17>m^2/sであったのに対し,BISを10wt.%添加することにより,0.1×10'17m2/sまで低下することが分かった。これはBISを架橋することにより,高分子の柔軟性が失われたためと考えられた。以上の結果は,この新規温度応答性吸着剤が,ドラッグデリバリーシステムや温度勾配クロマトグラフィーへ応用できることを示しており,今後の展開が期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Synthesis of temperature-responsive anion exchanger via click reaction2012

    • 著者名/発表者名
      K.Murakami, X.Yu, T.Kato, Y.Inoue, K.Sugawara
    • 雑誌名

      J.Colloid and Interface Science

      巻: (印刷中)

    • DOI

      10.1016/j.jcis.2012.02.040

    • 査読あり
  • [学会発表] 感温性高分子被覆メソポーラスシリカのイオン交換特性に及ぼす架橋剤添加の影響2011

    • 著者名/発表者名
      村上賢治, 渡邊真一, 加藤貴宏, 菅原勝康
    • 学会等名
      平成23年度化学系学協会東北大会
    • 発表場所
      東北大学(仙台)
    • 年月日
      2011-09-18
  • [学会発表] 感温性高分子/メソポーラスシリカ複合体のイオン交換特性に及ぼす温度の影響2011

    • 著者名/発表者名
      村上賢治, 渡邊真一, 加藤貴宏, 菅原勝康
    • 学会等名
      化学工学会第43回秋季大会(2011)
    • 発表場所
      名古屋工業大学(名古屋)
    • 年月日
      2011-09-15

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公開日: 2013-06-26  

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