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2009 年度 実績報告書

初代肝細胞の浮遊培養技術の創出による新規な細胞機能評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21656218
研究機関九州大学

研究代表者

井嶋 博之  九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (10274515)

キーワード初代肝細胞 / 非接着浮遊培養 / 細胞機能評価 / 単一細胞培養 / PEG-GRGDS / 細胞骨格 / 薬物代謝 / アルブミン合成
研究概要

付着依存性である肝細胞の機能性培養技術は創薬における薬物代謝評価など様々な応用が期待される重要な技術である。本研究では細胞接着阻害効果を有するポリエチレングリコールと細胞接着性を有するアルギニン-グリシン-アスパラギン酸配列からなる新規培養基材(PEG-GRGDS)を開発した。本培養基材を含む培地中に初代ラット肝細胞を懸濁させることで、細胞表面にPEG-GRGDSが結合した培養系が実現できた。細胞接着阻害効果はPEG鎖の伸長と共に向上し、分子量20000のPEG鎖において十分な細胞分散効果が得られた。この際、分散状態にある非接着培養単一肝細胞のアルブミン合成活性は機能性肝組織体であるスフェロイド培養と同等の高活性を発現できた。一方、フォトリソグラフィー技術により直径と深さが共に30マイクロメートルの小穴を有するポリジメチルシロキサン製の細胞チップを作製した。この小穴内には初代ラット肝細胞1個が収容できる。ホスホリルコリン基をメタクリル酸ポリマーに導入したMPCポリマーを用いて当該チップ表面の細胞非接着化処理を行い、非接着単一細胞培養を行った。分子量5000以上のPEG-GRGDSにより細胞骨格形成が有意に向上した。その結果、細胞は非接着培養単一細胞状態での培養が可能となった。さらに、薬物代謝活性の指標として用いたエトキシレゾルフィン脱エチル化反応が有意に向上した。以上より、肝細胞の非接着浮遊培養技術という全く新しい概念が創出でき、新たな細胞評価ツールとしての有効性が示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] RGD配列と基板への固定化部位を有するタンパク質の開発とその性能評価2010

    • 著者名/発表者名
      福田貴之, 他
    • 学会等名
      第12回 化学工学会 学生発表会(福岡大会)
    • 発表場所
      九州大学(福岡市)
    • 年月日
      2010-03-06
  • [学会発表] 壁付着性動物細胞のシングルセル培養のための基礎的検討2009

    • 著者名/発表者名
      堺淳一,武井孝行,境慎司,井嶋博之,川上幸衛
    • 学会等名
      第2回化学工学3支部合同北九州大会
    • 発表場所
      西日本総合展示場(北九州市)
    • 年月日
      2009-10-30

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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