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2011 年度 実績報告書

初代肝細胞の浮遊培養技術の創出による新規な細胞機能評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21656218
研究機関九州大学

研究代表者

井嶋 博之  九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (10274515)

キーワード初代肝細胞 / 非接着浮遊培養 / 細胞機能評価 / 単一細胞培養 / PEG-GRGDS / 細胞骨格 / 薬物代謝 / アルブミン合成
研究概要

平成21~22年度に開発したPEG-GRGDSを用いた肝細胞の非接着培養系を利用した細胞チップの開発とその性能評価を行った。
【肝細胞表面におけるPEG-GRGDSの効果】
大腸菌を用いて強化緑色蛍光タンパク質(EGFP)-GRGDSを組み換えタンパク質として生産し、肝細胞表面におけるGRGDS結合密度の評価を試みたが、シグナル強度の問題で結果を得ることはできなかった。一方、これまでの研究で細胞の分散効果はPEG-GRGDSの鎖長依存的に向上することがわかっていたが、興味深いことにPEGの分子量5000から40000の範囲においては細胞骨格の発達や生存率に対して鎖長の影響は確認されなかった。
【非接着単一細胞培養技術における細胞骨格の評価】
疑似共焦点顕微鏡による細胞骨格の三次元解析を行った。これにより、非接着単一細胞培養された初代肝細胞の細胞骨格は生体内における肝組織内のものと類似の構造を呈していた。これまでに得られた非接着単一細胞培養された初代肝細胞の生存率向上と肝特異的機能発現結果を踏まえると、本研究で開発した新規培養技術は生体類似の培養環境を与える有望な培養系であることが示唆された。
【非接着単一細胞培養技術を利用した細胞チップの開発】
マイクロコンタクトプリンティングならびにフォトリソグラフィーを用いた各種パターン化基板を作製した。これら基板と基板結合部位を導入したPEG-GRGDSとを組み合わせることで、非接着単一細胞の基板上への固定化を行うことができた。本技術により固定化された初代ラット肝細胞はその生存ならびにアルブミン合成活性や薬物代謝活性といった肝特異的機能発現を良好に示した。以上の結果より、PEG-GRGDSを用いた肝細胞の非接着培養系を利用した細胞チップの有効性が示唆された。

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公開日: 2013-06-26  

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