研究課題/領域番号 |
21657011
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
久米 篤 九州大学, 農学研究院, 准教授 (20325492)
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研究分担者 |
唐原 一郎 富山大学, 理工学研究部, 准教授 (60283058)
蒲池 浩之 富山大学, 理工学研究部, 准教授 (40262498)
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キーワード | 過重力 / 形態形成 / 宇宙生物学 / 栽培技術 / シロイヌナズナ / ストレス適応 / ヒメツリガネゴケ / 前葉体 |
研究概要 |
陸上植物は重力に対する生理的・形態的な適応を通じて個体としての成長特性や構造特性が決定されている。これまでに、光や温度、水分や栄養塩類を変化させて植物を栽培する技術は非常に発達してきたが,重力(加速度)を変化させて栽培する技術はほとんど開発されていなかった。そこで本計画においては、1)長期栽培可能な過重力栽培装置を作成し、2)その装置を用いた栽培方法を確立し、3)過重力栽培が植物に及ぼす生理生態学的影響を評価することを目的とした。本年度は、昨年度に引き続き特開2007-330219に基づき、新たな過重力栽培装置の試作を行った。本試作機は昨年度のものと比較すると、実験実施時の安全対策を想定し、設置面積の縮小を考慮したもので、環境調節室内への設置が容易になった。栽培用ポットについては、新たなポット製造のために金型試作の見積もりなどを行ったが、資金的な面から新規作成を見送った。 ・シロイヌナズナでは、過重力環境下での生長とリグニン量の再現性の検証を行った。 ・ヒメツリガネゴケのクロロネマが重力応答することが確認された。 ・シダ植物リチャードミズワラビ配偶体における重力屈性を調べた。暗所で生育したひも状の配偶体は、負の重力屈性を示すことが分かった。 ・過重力栽培装置を用いて、リチャードミズワラビ配偶体の抗重力反応を調べた。4g環境下で、7日間暗所で培養した配偶体では、伸長方向の長さが約25%抑制されていた。一方、横方向および仮根の長さに関しては、全く影響が見られなかった。 ・本装置は、植物の陸上進出と適応過程を考えるための実験系として有効であることが確認された。
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