本研究では、変動する環境の下で、生物の進化が群集構造さらには群集のもつ生態系機能に与える影響を検討した。 具体的な仮説として、一定の種分化率の下でも、大規模な絶滅により群集全体の個体数が減少した後、環境の回復により群集のサイズが拡大し、出生数が増加することで、種分化イベントが増加し、生態系機能の回復と同時に種の進化が進み、生態系機能にも変化が生じるというメカニズムが生じる可能性を検証した。 約2週間、様々な環境要因を操作した、現場土壌の培養を行い、微生物群集の反応を確認した。結果として、本研究で用いた、クローニングとT-RFLPを併用した方法により、微生物群集構造の変化が捉えられ、また、2週間という時間で、群集構造に大きな変化が生じることを確かめたので、今後、クローニングの数を増やし、一塩基での置換までを確認することで、群集の進化の様子を捉えることを試みる。
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