研究課題
本研究では、大腸菌PriAタンパク質の「停止した複製フォークに選択的に強く結合する」という生化学的性質をtoolとして、複製が停止しやすいあるいはslow downする染色体脆弱部位を染色体上の複製が停止し易い領域あるいは、停止した際に適切に回復されない領域として網羅的に探索することを計画した。動物細胞(がん細胞あるいは正常細胞)でPriAタンパクを発現し、正常に複製している状態あるいは低濃度のaphidicolinあるいはHU(ヒドロキシ尿素:複製阻害剤)で複製進行を阻害した場合にPriAタンパク質が結合するDNAを染色体免疫沈降法で濃縮し、同定する。期間内に、このシステムを構築し、複製停止部位をゲノムワイドで同定する。種々のヒト細胞でtag付きPriAをectopicに発現する細胞株を樹立し、tagに対する抗体を用いた染色体免疫沈降法により、沈降されるDNAを濃縮、増幅し、ゲノムタイリングアレイへのhybridizationあるいは網羅的塩基配列決定により、複製フォークの停止し易い領域をゲノムワイドで同定する計画である。本年度の成果は以下の通りである。1C末端に3Flag-tagを連結したPriAタンパク質(すでにtagの付加により機能に障害を与えない事は確認すみ)をヒトがん細胞HeLa(子宮剄癌由来;p53失活)およびU2OS(骨肉腫由来;p53野生型)あるいはNHDF(正常ヒト成人皮膚繊維芽細胞)細胞で構成的に発現する細胞株を樹立した。2作製したPriAに対する特異抗体により、内在性のPriAが染色体免疫沈降の条件下で免疫沈降できることを確認した。3上記で作製した株をもちいて現在、染色体免疫沈降を行なおうとしている。
すべて 2010 2009 その他
すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 13件) 学会発表 (6件) 図書 (7件) 備考 (1件)
Annual.Rev.Biochem. (In press)
Chromosoma (To be published)
UCSD-Nature Molecule Pages (In press)
BioEssays (In press)
Encyclopedia of Life Sciences (in press)
Genes to Cells 14
ページ: 669-682
ページ: 949-963
J.Biol.Chem. 284
ページ: 20718-20728
Nucleic Acid Res. (In press)
Genes to Cells (In press)
Drug Design, Development and Therapy 2
ページ: 255-264
UCSD-Nature Molecule Pages (On line)
http://www.rinshoken.or.jp/CB/index-jp.htm