研究概要 |
本研究では、『出芽酵母におけるRNA局在と局所的翻訳に働くRNP複合体Locasome』および『動物細胞のストレスに応答したRNAの局在、安定性、翻訳の制御に働くRNP複合体Stress Granule』の系におけるRNA局在・RNA安定性・翻訳の時間的・空間的な制御系を解析し、その基本原理を明らかにする。そのために必要な、(1)生きた細胞内でRNAを高感度に可視化・定量化する『RNA検出用デグラトンプローブ』、(2)2種類のRNAを同時に可視化する『2カラーRNAイメージング』、(3)RNA局在をタンパク質合成と同時に可視化する『RNA-タンパク質デュアルイメージング』、(4)時空間的なタンパク質合成を可視化・定量化する『翻訳モニター系』を開発し、RNAレベルの制御について生きた細胞での高度なイメージング解析、定量化解析を実現させる。明らかにした基本原理をもとに、遺伝子発現をRNAレベルで制御する技術の確立を目指す。 本年度の研究では、hnRNP Kの相互作用因子RBM42を単離し、hnRNP KとRBM42がストレス時にStress Granuleに局在すること、ストレス条件下でのATPレベルの維持に働くことを明らかにした(Fukuda et al., 2009)。
|