研究課題/領域番号 |
21657055
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
広橋 教貴 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 非常勤講師 (90376997)
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研究分担者 |
垣内 康孝 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 講師 (90396268)
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キーワード | 受精 / 精子 / リアルタイムイメージング / 先体反応 / トランスジェニックウス / 卵透明帯 |
研究概要 |
これまで精子先体反応は透明帯で誘起されると考えられてきた。ところが遺伝子改変マウスを用いて顕微受精を行ったところ、精子は透明帯に到着する前に先体反応を誘起していることがわかった。最近の他グループの研究によって精子先体反応はall-or-none的な反応ではなく、段階的な反応であることが示唆されている。そこで受精する精子が卵透明帯に接着するとき、段階的な反応のどのステップにあるのか明らかにする目的で実験を行った。つまり、先体反応を完了した精子が受精するのか、あるいは先体反応途中の精子が受精するのかを明らかにしようとした。まず精子先体胞内に含まれる蛋白質に対する抗体(anti-sp56/ZP3R)やレクチン(PNA)をマイクロビーズに吸着させ、それを卵の入った培養液中に加え、顕微鏡下で受精観察を行った。その結果、精子頭部にマイクロビーズを吸着させた精子が卵丘細胞層に侵入する様子が観察された。つぎに先体反応後の精子を染色するレクチン(PNA)を用いて、透明帯接着時に精子が染まるかどうか調べたところ、90%以上の精子がこのPNAによって染色された。さらに上記抗体やPNAを用いて染色したトランスジェニック精子(先体反応前の精子がGFPを持っているため光る)をフローサイトメーターで解析したところ、GFP消失後レクチン染色までにかかる時間は短く先体反応の遷移状態は短いことがわかった。実際、受精観察中に精子がGFPの消失からPNA染色までおよそ2分で完了することがわかった。
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