(1)オジギソウの突然変異体作出のため、EMS濃度、イオンビーム強度を検討した。少量スケールでは0.5%EMSを用いることによって約50%の発芽率低下が見られたが、大量スケールでは約70%の致死率であった。これは、EMSがモル比で効くためと推定され、より高濃度での処理が必要であることがわかった。本年は約70%致死率の種子を播種し、約1200個体に袋かけをして開花したが、300個体のみからしか種子が採れなかった。再度同じ条件で約2000種子にEMS処理、播種、袋かけをし、採種した。現在、採種種子の整理を行い、順次、播種、表現型の観察を行っている。また、イオンビーム強度を検討したが、600Gyでも十分な致死率が得られず、来年度に再度実験を行うこととした。就眠運動をカメラ連続撮影する条件設定を行った。 (2)形質転換系確立のために、ホルモン濃度、アグロバクテリアの濃度、ストレイン、感染時間などの条件を検討し、カルスを誘導し、アグロバクテリアを感染する実験を行った。その結果、オーキシンとサイトカイニン比を調整することによって、カルスからシュートを誘導し、さらにホルモン濃度を調整することによりシュートから根を誘導することに成功した。また、カルスに含まれる細胞にスーパーバイナリーベクターを用いたアグロバクテリアによってレポーター遺伝子を導入することに成功した。
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