交付申請書に記載した平成21年の研究実施計画は(1) 調査に対する協力を得やすい地域の選定、(2) 研究目的に沿った社会・文化的、特に伝統的生活習慣の継続性をもっ地域およびその対照地域の絞り込み(3) それぞれの調査地域での調査・研究組織づくり-を行うこととする-であった。今年度はこの計画に沿って研究分担者、研究協力者と協議した結果、長崎県五島列島の福江島にある下崎山地区(長崎県五島市下崎山町)を伝統的生活習慣の継続性をもつ地域として平成22年度に恒常性維持負荷度を測定することとした。この地域は正月の伝統的行事"へとまと"を継承しており、また食生活においても正月に伝統的な"かんころ餅"を食するなど伝統的生活習慣を継続した地域であると考えられる。その対照地域としては生活の近代化が著しい三井楽地区(五島市三井楽町)とした。(3) については、まず崎山地区にて平成21年12月、地域の代表者の会合に出席し地域の協力を要請したところ町会として協力を得ることとならた。そこで本研究の研究協力者である長崎大学医歯(薬)学総合研究科・離島・へき地医療学講座離島医療研究所(長崎県五島中央病院)の所長である前田 隆浩教授と協議した結果、平成22年9月に下崎山地区で調査参加者のリスト作りを始め、同年11月に55歳以上の男女約120人を対象にして恒常性維持負荷度の測定を中心に調査を行うこととなった。また来年度の食事調査に用いる質問票(DHQ)の有効性も確認した。
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