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2011 年度 実績報告書

植物細胞間隙に生息する微生物群集のメタゲノム解析と病害防除への利用

研究課題

研究課題/領域番号 21658015
研究機関東北大学

研究代表者

高橋 英樹  東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20197164)

キーワード植物 / 遺伝子 / メタゲノム / 内生菌 / 植物病理学
研究概要

植物の葉表面や葉組織には微生物が生息し、植物や病原微生物と相互作用することによって、植物の生育や様々な環境ストレス・病虫害に対する耐性に関わっているものと推察されている。しかし、実際の自然環境中において、難培養性微生物を含めてどのような微生物種が生息し、植物や病原微生物とどのように関わっているのかはほとんど明らかになっていない。前年度の研究において、イネ細胞間隙液に含まれる微生物集団を培養することにより得られたコロニーから、16SrDNA塩基配列に基づき、Pseudomonas sp.を分離した。そこで本年度は、同細菌をイネに施用することにより、いもち病などの病害誘導が抑制あるいは助長されるか解析を行った。(1)有機栽培イネに特徴的な微生物を施用したイネにおけるいもち病抑制活性の評価: 有機栽培に特徴的な7菌株をそれぞれ処理した5葉期のイネを用いて、葉鞘接種検定により、いもち病菌侵入率への影響を調べた。その結果、AZ2株(Pseudomonas sp.)処理によっていもち病菌侵入率が有意に低下した。さらに、いもち病菌28S rDNA量からいもち病菌バイオマスを推定したところ、比較無処理区に対してAZ2株処理区ではいもち病菌のバイオマスが減少する傾向が認められたことから、有機栽培イネの細胞間隙液に存在する菌株の中には、いもち病菌に感染、増殖に抑制的な働きをもつものが存在している可能性が考えられた。(2)有機栽培イネに特徴的な微生物のイネもみ枯細菌病菌による苗腐敗症の抑制効果の解析: 有機栽培に特徴的な内生細菌がイネの生育初期に比較的多く認められたことから、苗病害に対する効果を評価した。イネもみ枯細菌病菌による苗腐敗症に対して、Bacillus sp., Curtobacterium sp., Acinetobacter sp.と推定される内生細菌を施用した場合に発病度が抑制されることが示唆された。また、有機栽培の育苗土にもイネもみ枯細菌病抑制効果が認められ、この効果はオートクレープ処理により失われたことから、何らかの生物的要因による効果と推定された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Biocontrol of black scurf on potato by seed tuber treatment with Pythium oligandrum2012

    • 著者名/発表者名
      Ikeda, S., Shimizu, A., Shimizu, M., Takahashi, H. and Takenaka, S.
    • 雑誌名

      Biological Control

      巻: 60 ページ: 297-304

    • 査読あり
  • [学会発表] 有機栽培育苗土によるイネもみ枯細菌病抑制効果の解析2011

    • 著者名/発表者名
      安藤杉尋・對馬誠也・吉田重信・長谷川浩・小林隆・伊藤豊彰・高橋英樹
    • 学会等名
      平成23年度日本植物病理学会東北部会
    • 発表場所
      青森市
    • 年月日
      2011-11-03
  • [学会発表] 有機栽培イネ細胞間隙に由来する微生物の解析と病害防除2011

    • 著者名/発表者名
      安藤杉尋・高橋英樹
    • 学会等名
      平成23年度日本土壌微生物学会大会
    • 発表場所
      宮城県鳴子町
    • 年月日
      2011-10-23
  • [図書] 土と微生物「有機栽培イネ細胞間隙に由来する微生物の解析と病害防除」2011

    • 著者名/発表者名
      安藤杉尋・高橋英樹
    • 総ページ数
      3
    • 出版者
      日本土壌微生物学会

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公開日: 2013-06-26  

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