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2010 年度 実績報告書

昆虫分散型動原体染色体の謎

研究課題

研究課題/領域番号 21658018
研究機関九州大学

研究代表者

日下部 宜宏  九州大学, 農学研究院, 准教授 (30253595)

研究分担者 李 在萬  九州大学, 農学研究院, 助教 (50404083)
キーワード分散型動原体 / カイコ / クロマチン / 動原体 / 紡錘糸 / キネトコア
研究概要

カイコに代表される鱗翅目昆虫や毛翅目、半翅目昆虫は、1染色体に多数の動原体を有する特異な分散型動原体と呼ばれる染色体を持つことが知られている。しかもカイコゲノムからは、セントロメアタンパク質の多くが欠失しており、そのキネトコアの形成機構には謎が多い。本年度は、カイコゲノムに残るセントロメア、キネトコア形成、紡錘糸付着に関わるタンパク質の多くを同定した。まず、効率的な遺伝子機能阻害実験を行うために、線虫SID-1遺伝子を導入したカイコ培養細胞を樹立し、dsRNAを培地に加えるだけでRNAi誘導が可能な細胞を作製した。この細胞を用いて、セントロメア形成に関わるタンパク質として同定した、Cenp-S、Cenp-X、Cenp-N(Mis15)、紡錘糸付着とチェックポイントに関わるタンパク質KLN1、Mis12、MAD2、また、細胞分裂期に一過性にセントロメアに局在し、キネトコアの一部となる細胞分裂染色体パッセンジャータンパク質複合体(CPC : INCENP、BorealinとSurvivin)についてRNAi法を用いた遺伝子機能阻害実験を行い、その細胞分裂時の表現型よりこれらの機能を明らかにした。その結果、KLN1を除く全ての遺伝子について、遺伝子機能阻害により染色体の分裂異常や細胞周期の停止が認められた。また、CPCの遺伝子機能阻害により顕著な核相の倍数化が観察された。
特に、分散型動原体という特殊な構造より、スピンドルチェックポイント機能は失われていると想定していたが、Mis12抑制下でのMAD2遺伝子機能阻害実験により、カイコでもスピンドルチェックポイント機構が機能していることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Molecular Characterization of Core Histones in the Silkworm, Bombyx mori.2011

    • 著者名/発表者名
      Mitsunobu, et al.
    • 雑誌名

      J.Insect Biotech.Seric.

      巻: 79 ページ: 75-83

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The telomere-specific non-LTR retrotransposons SART1 and TRAS1 are suppressed by Piwi subfamily proteins in the silkworm, Bombyx mori2010

    • 著者名/発表者名
      Tatsuke, et al.
    • 雑誌名

      Cell.Mol.Biol.Lett.

      巻: 15 ページ: 118-133

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Efficient Soluble Protein Production on Transgenic Silkworms Expressing Cytoplasmic Chaperones using Baculovirus Expression System2010

    • 著者名/発表者名
      Hong, et al.
    • 雑誌名

      Appl.Microbiol.Biotech.

      巻: 87 ページ: 2147-2156

    • 査読あり
  • [学会発表] Chromatin structure and function of silkworm holocentric chromosomes2010

    • 著者名/発表者名
      Kusakabe, et al.
    • 学会等名
      New Silk Road : Silkworm Genome to Sustainable Agriculture
    • 発表場所
      Tsukuba, Japan
    • 年月日
      2010-11-09

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公開日: 2012-07-19  

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