研究概要 |
遠隔位にメチル分岐を有する脂肪酸やアルコール類に対する新規なキラル識別試薬を創製し、それら誘導体の順相系での分離法の確立を目的とした。本年度は、リード化合物としてポリエーテル基の付いたアリールイミドと誘導体化用の官能基を有する9,10-ethanoanthracene化合物を調製することを第一目的として、以下の研究を進めた。 1.Anthraceneおよびその誘導体と無水シトラコン酸などの5員環の酸無水物、ウレア、カーバメートおよびカーボネートとのDiels-Alder反応を行い、試薬の母骨格となる化合物を調製し、NMR分析に供した。さらに、それぞれの誘導体において官能基変換やアリールイミド基の構築を試みたが現在までのところ最終化合物は得られていない。 これまで得られた中間体の反応性を考慮し、環状ウレアを用いジアミンを経る合成ルートが最良と判断し、次年度集中的に合成を進める予定である。 2.試薬の性能や最適化を評価するためのメチル分岐を有する脂肪酸、アルコール類および共通の合成中間体を調製した。
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