研究課題/領域番号 |
21658057
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研究機関 | 独立行政法人森林総合研究所 |
研究代表者 |
窪野 高徳 独立行政法人森林総合研究所, 森林微生物研究領域, 領域長 (80353671)
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研究分担者 |
秋庭 満輝 独立行政法人森林総合研究所, 森林微生物研究領域, 主任研究員 (50353553)
市原 優 独立行政法人森林総合研究所, 東北支所, 主任研究員 (10353583)
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キーワード | スギ / 花粉症 / 菌類 / 飛散防止技術 / 開発 |
研究概要 |
人工接種によって雄花の枯死率を高めるためには、本菌の発生生態の解明が不可欠であると考え、黒点病菌の子実体形成過程及び胞子飛散時期を明らかにする実験を行った。一年を通して枯死雄花上の菌体を調べた結果、春季5月頃から鱗片上に柄子殻様態が見られ、その後、これらはPhoma型柄子殻へと移行した。一方、子嚢殻は秋季9月の試料で初めて観察され、本菌は9月から子嚢胞子の飛散を開始させたものと推察された。胞子飛散時期特定試験では,胞子の雄花への飛来・付着を人為的に制御するために、未熟雄花が着生した主枝にビニール袋(90X70cm)を被覆(close)又は取り外し(open)する「暴露処理」を9月から翌年4月まで行った。処理区は5区とし、1区につき2~3本の主枝を用いた。暴露期間はI区では9/19~10/31、II区は11/1~11/28、III区は11/29~12/27とした。IV区は期間中close、V区は期間中openとした。調査期間後、感染枯死雄花を付けた小枝をカウントして、感染時期を推定した。暴露試験の結果、暴露試験ではI区3本(3/376=感染枝数/総調査枝数)、II区1本(1/163)、III区4本(4/323)、V区2本(2/144)の枯死雄花着生枝が確認された。暴露させなかったIV区では発病は認められなかった。各区とも自然感染枝が少ない結果に終わったが、枯死雄花の発生を基に判断すると、秋季10月から冬季12月末まで胞子飛散が続き、この期間に雄花へ感染したものと推察された。以上から、人為的に雄花枯死率を高めるためには、未熟~若齢雄花の多い秋季に人工接種を行うことが最良である可能性が示唆された。本研究成果は、接種時期の決定に寄与するものである。
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