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2009 年度 実績報告書

力学的環境下における樹木細胞壁形成の分子機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 21658065
研究機関千葉工業大学

研究代表者

渡邊 宇外  千葉工業大学, 工学部, 准教授 (70337707)

キーワード力学的環境 / 細胞壁形成 / 二次代謝 / 遺伝子発現応答
研究概要

平成21年度は、シロイヌナズナ培養細胞に対する力学的な作用が細胞壁の成分代謝や構造変化に与える影響について、おもに関連遺伝子の発現を定量解析により詳しく調べた。特に、力学的作用と細胞壁の二次代謝の関係に焦点を当て、二次代謝のキーとなる酵素や転写因子の遺伝子発現について詳しく解析した。二次代謝反応の初発段階における重要な酵素であるphenylalanine ammonia-lyase (PAL)の遺伝子は、植物培養細胞懸濁液への応力負荷を1時間とした場合、負荷応力に関係なく常に一定量の発現を示した。一方、負荷応力を一定とし、負荷時間を6時間とした場合、この遺伝子の発現量は増加した。この結果から、力学的作用に対するPALの発現応答は負荷時間に依存することが明らかとなった。また、リグニン合成の調節に大きく関わる酵素であるcinnamoyl CoA reductase (CCR)の遺伝子発現量についても、PALと同様、応力負荷を1時間とした場合では負荷応力に関係なく常に一定であり、6時間の応力負荷で遺伝子発現量は増加した。力学的作用に対するCCRの発現応答についても、PALと同様に負荷時間依存性があることが示された。シロイヌナズナ二次代謝転写因子であるsecondary wall-associated NAC domain protein 1 (SND1)について、力学的作用を受ける培養細胞におけるこの遺伝子の発現応答を定性的に調べた。応力負荷時間を1時間とした場合、SND1の発現は、負荷応力の増加とともに増加する傾向が認められた。このことから、力学的作用に対するSND1の発現応答には力学刺激の依存性があることが示唆された。二次代謝反応を担う酵素と転写因子の間で、力学的作用に対する発現に影響するパラメータが異なることが考えられ、このメカニズムの解析の重要性が示された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 力学刺激を受けるシロイヌナズナ培養細胞におけるAtPAL1およびAtCCR1の発現応答2010

    • 著者名/発表者名
      辻村博子
    • 学会等名
      第60回日本木材学会大会
    • 発表場所
      宮崎市民プラザ(宮崎県)
    • 年月日
      2010-03-17

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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