本課題は、申請者が取得した筋分化能・脂肪分化能の両者を併せ持つ多能性幹細胞クローン2G11を抗原として単クローン抗体を作成することにより、多能性幹細胞の細胞膜上に特異的に発現するような受容体分子の同定を試みるものである。 昨年度までに、2G11細胞を抗原とした単クローン抗体の作成を行った。2G11Balb/cマウスへの数回の免疫により、2G11細胞に対する抗体価が上昇したのを確認したのち、免疫マウスの脾細胞とミエローマ細胞を融合しハイブリドーマを作出した。合計614個のハイブリドーマが得られ、このうちラット骨格筋から採取した単核の細胞群を染色するものを20候補選択した。 本年度は得られた20候補のハイブリドーマが産生する抗体により認識される標的抗原の同定を進めた。その結果、いずれの抗原も当初の目的に合致したものではなかった。そこで、2G11細胞を抗原として免疫する方法やスクリーニングの方法に改良を加え、再度単クローン抗体の作成を試みることにした。
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