ナノテクノロジーの発展とともにナノサイズの蛍光性微粒子が注目を集めている。中でもCdTeやCdSeは量子サイズ効果を有し、分子タグとして活用されている。また、元素回収の観点からもメタロイドや金属イオンを回収・再資源化できる技術が望まれている。本研究では、微生物による半導体微粒子の合成を目的にセレン(テルル)オキサニオン還元性菌をCdイオンなどの重金属イオンを含む培地で集積培養し、半導体や蛍光活性を期待できるナノ微粒子を合成可能な微生物の分離・培養を行った。その結果、バイオレメディエーションやバイオミネラリゼーションの研究・応用材料として活用可能な微生物株の獲得や解析を達成できた。これらの微生物株と生成微粒子の解析を遺伝子工学、電子顕微鏡、元素分析手法によって実施することで、重金属(例えばカドミウム)を含むバイオナノ微粒子の合成、及び分離株によるメタロイドと重金属イオンの同時回収と半導体など機能微粒子への変換可能性を明らかにした。
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