研究概要 |
平成21年度はベーターノダウイルスコートタンパクを大腸菌で発現させ作製したウイルス様パーティクル(VLP:Viral Like Particle)および精製ウイルス粒子を利用して以下の実験を行った。 1. ウイルス粒子の分解条件の検討 ウイルス粒子およびVLPをショ糖密度勾配遠心法により精製し、およそ30%の濃度の分画に高純度に回収した。ウイルス粒子はコート蛋白180分子からなるが、本分画で得られた精製粒子を10mMEDTA処理によりショ糖密度勾配遠心法によりおよそ22%のショ糖濃度分画に単一分子として回収できた。 2. 単一分子コート蛋白質からのウイルス様粒子の再構成 EDTA処理により得られた単一分子コート蛋白質をCa存在下にインキュベーション後、ショ糖密度勾配遠心法により分画すると、ショ糖濃度約30%の位置に移動する事から、ウイルス様粒子の再構築に成功した。本粒子を電子顕微鏡で観察すると、正二十面体構造のウイルス様粒子であることが明らかになった。 これらの結果から本研究計画の基盤が確立されたと考えている。平成22年度にはこのVLP再構成系にウイルス遺伝子や他のRNA,DNAの封入条件を検討することが可能となった。
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