研究課題
前年度に、オートファジー関連タンパク質のLC3が脂肪滴表面に局在することを絶食負荷時に出来る肝細胞や心筋細胞に形成される脂肪滴で証明した。特に、Atg7を欠損するとLC3が絶食負荷時に脂肪滴形成が抑制されることを示した。本年度は、培養がん細胞(PC12, HeLa, HepG2, 3T3-L1細胞)を用いて、これら細胞を70%コンフルエントの条件で培養し、12時間後にBODIPY陽性の脂肪滴と中性脂肪の量を調べると有意に増加することを利用し、この脂肪滴にLC3が局在することを示した。次いで、LC3をRNAi法でノックダウンしてタンパク質レベルで10~20%まで発現を抑制した細胞株を樹立した。これら細胞を用いて、同様に培養して脂肪滴が形成されるかを検討した結果、LC3mRNAがノックダウンされた細胞では、脂肪滴のみならず中性脂肪の量もMock細胞と比べて、50%以下に抑制されることが分かった。さらに、脂肪細胞の前駆細胞である3T3-L1細胞をホルモン刺激して脂肪細胞に分化させた。その結果、正常細胞では、LC3mRNAは、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体Y等の分化因子と共に、処理後、時間と共に上昇することが分かった。また、LC3mRNAノックダウンL1細胞株では、脂肪細胞に分化した処理後6日目で検討した所、BODIPY陽性の脂肪滴の形成は全く起きないことが明らかとなった。現在、LC3欠損マウスを用いて、本結果を検証中である。
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