研究課題/領域番号 |
21659059
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
塩田 清二 昭和大学, 医学部, 教授 (80102375)
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研究分担者 |
影山 晴秋 昭和大学, 医学部, 助教 (00433839)
竹ノ谷 文子 星薬科大学, 薬学部, 講師 (30234412)
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キーワード | GALP / 摂食調節 / 抗肥満療法 / エネルギー代謝 / ニューロンネットワーク |
研究概要 |
昨年度はGALP遺伝子転写調節領域の下流にCreリコンビナーゼとタモキシフェン受容体融合タンパク質cDNAを導入したDNAコンストラクトを用いたトランスジェニックマウスの作出を行った。また肥満研究で主に使われている系統であるC57BL/6Jの受精卵へDNAを注入してトランスジェニックマウスの作出に成功した。さらにこのマウスを用いてCreリコンビナーゼが認識するloxP配列導入トランスジェニックマウスの作出にも成功した。この遺伝子改変動物を用いて、GFPを発現するニューロンを検索したところ、視床下部の弓状核に細胞が特に発現し、いままで抗体を用いた観察結果と一致した。この結果からGALPという食欲予定する因子は視床下部の弓状核に発現し、脳内の種々の領域に軸索投射していることが明らかになった。今後はこのGALPニューロンを神経支配している脳内ニューロンを同定するために遺伝子改変動物を新たに作成し、GALPニューロンの求心性神経路をしらべていく予定である。またGALPの投与法については経鼻的投与法を開発している。現時点での実験結果では、正常動物および肥満マウスを用いて低濃度のGALP点鼻を行い摂食量、飲水量、自発行動量および体重変化などをしらべたところ、とくに肥満モデルマウス(Ob/Ob)において顕著な体重減少をみとめることが出来た。今度は高カロリーの飲食を正常動物に摂取させた肥満マウスを用いてGALPの点鼻投与を行い抗肥満作用についてしらべていく予定である。また単にGALPのみを点鼻するだけでなくサイクロデキストリンを包接剤として用いると脳内に3-5倍以上有効に吸収されることから、今後は包接剤の検討も行なって行く予定である。
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