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2010 年度 実績報告書

新規神経ペプチドGALPによる肥満克服の新戦略

研究課題

研究課題/領域番号 21659059
研究機関昭和大学

研究代表者

塩田 清二  昭和大学, 医学部, 教授 (80102375)

研究分担者 影山 晴秋  昭和大学, 医学部, 助教 (00433839)
竹ノ谷 文子  星薬科大学, 薬学部, 講師 (30234412)
キーワードGALP / 摂食調節 / 抗肥満療法 / エネルギー代謝 / ニューロンネットワーク
研究概要

本研究では、ガラニン様ペプチド(GALP)の脳内における摂食抑制作用およびエネルギー代謝亢進作用機序を解析することを目的として実験を行なった。さらにGALPの点鼻法を開発し新規の抗肥満療法を目指すための動物実験を行なった。
まずGALP含有ニューロンと摂食抑制調節ニューロンとの神経相関を機能形態学的に検索し、MPY, POMC, orexin含有ニューロンとシナプスを介して直接神経連絡をしていることを明らかにした。さらにGALP投与による酸素消費量、体温および末梢臓器との機能連関をしらべた。GALPは脳内のグリア細胞を介して熱産生を行なうこと、またその過程にプロスタグランディンが関与していることを生体下および培養実験で明らかにした。またGALPによる脳室内投与実験によって末梢の骨格筋のグルコース取り込みが有意に上昇することも分かった。GALPが末梢の交感神経系を活性化してこれらの作用を行なうことが生理実験で明らかになった。さらにGALPは肝臓において脂質代謝を亢進させる可能性のあることから、現在その作用機序の解明を行なっている。
次にGALPの点鼻投与法を確立するために、動物実験を行なった。まずGALPを点鼻投与した場合の脳内への移行経路をラジオオートグラフィー法で検索した。鼻腔内に入ったGALPは神経を介さずにクモ膜下腔を経て脳内の微小血管内に移行することが分かった。またGALPの点鼻投与によって正常マウスでの抗肥満効果は顕著にみられなかったが、肥満モデル動物(ob/ob)では顕著な抗肥満効果がみられた。この抗肥満作用は点鼻投与を2週間行なっても持続的な体重減少がみられ、とくに高血糖の動物で顕著な抗肥満作用のあることが分かった。このことから、肥満症あるいは糖尿病患者でのGALPの点鼻投与法の開発に本研究がつながると考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Neuronal circuits involving ghrelin in the hypothalamus-mediated regulation of feeding.2010

    • 著者名/発表者名
      Kageyama H, et al.
    • 雑誌名

      Neuropeptides

      巻: 44 ページ: 133-138

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Galanin-like peptide and the regulation of feeding behavior and energy metabolism.2010

    • 著者名/発表者名
      Shiba K, et al.
    • 雑誌名

      FEBS J

      巻: 277 ページ: 5006-5013

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Neuropeptide W : An Anorectic Peptide Regulated by Leptin and Metabolic State.2010

    • 著者名/発表者名
      Date Y, et al.
    • 雑誌名

      Endocrinology

      巻: 151 ページ: 2200-2210

    • 査読あり
  • [学会発表] 摂食調節ペプチドGALPによる肥満克服の新戦略2011

    • 著者名/発表者名
      影山晴秋、塩田清二、, 他
    • 学会等名
      第88回日本生理学会大会・第116回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2011-03-28

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公開日: 2012-07-19  

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