研究課題
昨年度HeLa細胞によるtransient expressionの系により、アレル特異的な抑制効果が得られた。そこで、並列して設定する人工的なpre-miRNA配列カセットであるAMPM(artificial miRNA precursor motif)による本来のターゲットサイトに対する抑制効果増強の可能性を検討するため、上記変異領域以外の領域(3'-UTR)をターゲットとしたミスマッチpre-miRNA配列を持つAMPMを用いて同様な解析を行った。しかし、却って抑制効果の減少が見られ、当初予想した抑制増強効果は得られなかった。一方、(Creの導入によるコンディショナルな個体レベルでの抑制系の解析を進めるため、すでに細胞レベルでの抑制効果を見出しているSmad2,3に対する並列したAMPMを用いてloxp配列で挟み込んだNeo遺伝子(3'側にMAZ配列を4コピー設定している)をCAGプロモーターとAMPM-EYFP遺伝子間に逆向きに挿入したコンストラクトを作成した。このスイッチングベクターをマウスES細胞に導入してトランスジェニックES細胞を作成した。この細胞に組換えアデノウイルスを用いてCre recombinaseを発現させたところ、Cre recombinase導入前と比較してEYFPの発現強度が増強し、人工miRNAの発現とそれに伴う標的遺伝子の抑制が見られた。以上の結果から、人工miRNAの発現を制御する転写スイッチングシステムを確立することができたと考える。今後は、トランスジェニックES細胞を用いてトランスジェニックマウスを作成し、個体レベルでの人工miRNAスイッチングシステムの機能評価が必要である。
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Neurogenetics
巻: 12 ページ: 25-31
DOI:10.1007/s100480100260-7
http://www.gen.kyushu-u.ac.jp/~byouin/