研究課題
ヒト不妊症・不育症(習慣流産)は染色体異常、解剖学的異常、感染症、自己免疫、凝固異常など種々の原因によっておこる多因子疾患であるが、種々の生活習慣病と同様に感染症などの後天性の環境因子とともに、先天性の遺伝因子の影響があると考えられている。配偶子形成の異常は不妊・不育症の原因の中では頻度の高いものだが、配偶子形成には減数分裂時の染色体の動態が大きく影響する。とくに第1減数分裂前期のイベント(姉妹染色体の合着、相同染色体の対合、組換え)は減数分裂における染色体の正しい分配に重要で、これらの現象に関わる遺伝子の異常は、マウスでは雄は無精子症、メスは卵の染色体異数性をきたし、ヒトの習慣流産に類似の表現型を呈する。わたしたちはこのような遺伝子異常によるヒト不妊・不育症を同定すべく候補遺伝子解析ならびにゲノムワイドの遺伝子多型解析を行う一方で、本研究ではコピー数多型(CNV)に注目する。コピー数多型がヘテロである領域のサイズが大きいと、その染色体は対合に不利であり、第1減数分裂のチェックポイントにより減数分裂が停止したり、対合不全から交差干渉の異常をおこし、配偶子異数性の頻度が増加する可能性がある。本年度は、1例の習慣流産の女性患者と3人のコントロールサンプルでマイクロアレイによるゲノムワイドのSNP解析と同時にアレイCGHによるゲノムワイドのCNV解析をおこなった。この患者は従姉婚であり、SNP解析はホモ接合性マッピングという観点からも、そのデータ解析をおこなった。
すべて 2010 2009 その他
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)
Gynecologic and Obstetric Investigation 69
ページ: 116-121
American Journal of Human Genetics 84
ページ: 14-20
Genome Research 19
ページ: 191-198
Human Molecular Genetics 18
ページ: 3397-3406
Journal of Human Genetics 54
ページ: 253-260
Gynecologic and Obstetric Investigation 68
ページ: 239-247
Journal of Urology 181
ページ: 2326-2331
Cell Transplantation 18
ページ: 647-656
http://www.fujita-hu.ac.jp/~genome/mg/