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2010 年度 実績報告書

マラリア原虫昆虫内ステージの完全培養系の確立

研究課題

研究課題/領域番号 21659105
研究機関三重大学

研究代表者

油田 正夫  三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90293779)

キーワードマラリア / スポロゾイト / 培養
研究概要

スポロゾイトはオオシストから放出された直後は肝臓への感染性をほとんど持っていない。蚊の唾液腺に感染することによって初めて感染性を獲得する。感染性の増加は実に1000倍に達すると言われており、したがってこの過程をin vitroで再現することが実用的な培養系確立のための最も重要な課題である。
マラリア原虫の遺伝子はスポロゾイト期を通じて、AP2-Spという転写因子によって誘導される。しかしながらAP2-Spにより制御される遺伝子の中でも唾液腺感染に関連する遺伝子(MAEBLなど)と肝臓感染に関連する遺伝子(SPECT2など)では発現プロファイルは大きく異なる。前者のグループは唾液腺感染前に発現のピークを持ち、後者は唾液腺感染後にピークを持つ。したがってそれらの遺伝子の発現調節にはAP2-Spと協調して働きその作用を調節する別の転写因子(調節因子、co-regulaor)が関与していると考えられる。
我々はこの転写調節因子の候補として新たなAP2 familyの転写因子を見出しAP2-Sp2と命名した。本転写因子はオオシスト期のスポロゾイトで発現され、その遺伝子を破壊した原虫ではスポロゾイトが形成されなかった。DNAマイクロアレイで解析したところ唾液腺感染関与する遺伝子の発現は低下していたが、肝臓感染に関与する遺伝子の発現はほとんど低下していなかった。また人工染色体を用い主要な遺伝子のプロモーター活性に与えるノックアウトの影響を調べたところ、マイクロアレイのデータを支持する結果が得られた。今後この転写因子AP2-Sp2を手掛かりとしてスポロゾイトの遺伝子発現調節機構を解明し、肝臓感染能を持ったスポロゾイトの培養系の確立につなげたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Production of IFN-γ by CD4(+) T cells in response to malaria antigens is IL-2 dependent2010

    • 著者名/発表者名
      Kimura D, Miyakoda M, Honma K, Shibata Y, Yuda M, Chinzei Y, Yui K
    • 雑誌名

      Int.Immunol.

      巻: 22 ページ: 941-952

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Functional identification of the Plasmodium centromere and generation of a Plasmodium artificial chromosome2010

    • 著者名/発表者名
      Iwanaga S, Khan SM, Kaneko I, Christodoulou Z, Newbold C, Yuda M, Janse CJ, Waters AP
    • 雑誌名

      Cell Host Microbe

      巻: 20 ページ: 245-255

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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