研究課題/領域番号 |
21659130
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森本 剛 京都大学, 医学研究科, 講師 (30378640)
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研究分担者 |
平出 敦 京都大学, 医学研究科, 教授 (20199037)
窪田 愛恵 京都大学, 医学研究科, 教務補佐員 (50447942)
関 進 京都大学, 医学研究科, 教務職員 (80422955)
前田 祐子 京都大学, 医学研究科, 講師 (30378749)
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キーワード | 医療・福祉 / 社会医学 / 医療安全 / 医学教育 |
研究概要 |
本年度は実施計画通り、京都大学大学院医学研究科医の倫理委員会の承認を受けて、医療事故発生時における説明実習を行った。説明実習は、京都大学医学部4回生の臨床実習入門コースにおいて、医療面接実習などで経験のある模擬患者を対象に、医原性有害事象発生の仮想シナリオを用いて、医療事故発生時における説明を行った。説明の質の評価については研究チームで新たに開発した評価表を用いて、説明を行った学生と模擬患者が独立して、医師役から与えられた情報の内容や謝罪の有無、感情的配慮の有無、全体的な印象について、5~10段階のLikert scaleを用いて実習前、実習後の2回評価した。加えて、画像データやRIASを使った、画像・音声分析も行った。 評価表による評価では、学生による謝罪の有無、重要なエラーに関しての告白、患者に十分な説明の有無、が患者の説明に対する評価と相関していた。さらに、実習の前後では、総括評価、家族の納得度、重要なエラーに関しての告白について、有意に改善していた。画像・音声分析からも、学生の戸惑いや患者の納得を阻害する学生の振る舞いなどが抽出された。 これらの結果から、医療事故説明教育は、医学生における医療事故の際の対応に短期的な改善をもたらした。また、我々が開発した評価法は患者の視点からも妥当な評価方法であることが示唆された。 22年度は、実施計画書通り、異なるタイミングで2度の実習及び測定を行い、非教育集団との比較や教育集団における経時的比較を行う予定である。
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