研究課題/領域番号 |
21659133
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
明石 浩史 札幌医科大学, 総合情報センター, 講師 (60336386)
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研究分担者 |
木内 貴弘 東京大学, 医学部, 教授 (10260481)
高塚 伸太朗 札幌医科大学, 総合情報センター, 助教 (30457733)
辰巳 治之 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90171719)
森崎 龍郎 札幌医科大学, 医学部, 助教 (20404725)
新見 隆彦 札幌医科大学, 医学部, 助手 (10404584)
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キーワード | 遠隔教育 / ネットワーク計測 / オーバーレイ・ネットワーク / 形態素解析 / サービス品質 / 語彙連鎖解析 / フォーカスグループインタビュー / 半構造化インタビュー |
研究概要 |
【具体的内容】1)ネットワーク品質の主観評価方法、客観評価方法の開発・改良:ネットワーク帯域変化による音声品質の変化を多地点TV会議BizMate Pro、Digital Video Transfer System(DVTS)、フリーのソフトウエア型IP電話Skypeを評価対象アプリケーションとして、Cisco 2960を利用して構築した仮想ネットワークでPerceptual evaluation of speech quality(PESQ)値による客観評価およびWeb型Visual Analog Scaling(VAS)による主観評価を行ったところ客観評価に関してはSkype、BizMateともに、講義音声ではネットワーク帯域と比例して評価値が上昇した。音楽CDでは、Skypeはネットワーク帯域と比例して評価値が上昇したが、BizMateではネットワーク帯域と評価値は相関しなかった。主観評価に関しては、音楽CDでのみ評価を行ったが、Skype、BizMateとも客観評価と同じ評価が一致することが確認できた。2)医療機関でのVirtual Internet exchange(VIX)構築の効果の検討:VIX構築後、客観評価ではBizMateの講義音声で音声品質改善が顕著であった。一方、主観評価では、BizMate、Skypeとも講義音声、CD音楽の双方で音声品質が改善する傾向を認めた。3)遠隔教育・医療ニーズ調査インタビュー結果の解析:自然言語処理としてChaSenによる形態素解析、KiSsによる語彙連鎖構造解析、Rossetteによる品詞分解、発語連鎖の揺れ等の解析により重要語句、即ち、対象文書情報に於ける意味的高吸引力・高頻出語彙を同定する事により、発語者主観を特定、遠隔教育問題点及びニーズの可視化、医療機関(体制)間の差異を同定することができた。 【意義・重要性】今回の研究では、ネットワークの品質改善により、遠隔講義のサービス品質を改善できる可能性を示すことができた。またサービス品質の評価方法として従来主観的な評価には絶対品質尺度(Absolute Category Rating : ACR)による平均オピニオンスコア(Mean Opinion Score : MOS)が用いられてきたが、順位尺度を距離尺度に変換する際の誤差、多国間比較時の言語によるバイアスなどの問題を最初から距離尺度で結果を得ることで解決につながる可能性を示すことができた。全国展開に向けて、VIX用のバックボーンとしてJGNの活用の検討が次年度以降の研究課題である。
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