研究課題/領域番号 |
21659133
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
辰巳 治之 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90171719)
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研究分担者 |
木内 貴弘 東京大学, 医学部, 教授 (10260481)
高塚 伸太朗 札幌医科大学, 総合情報センター, 助教 (30457733)
新見 隆彦 札幌医科大学, 医学部, 助手 (10404584)
中村 正弘 札幌医科大学, 総合情報センター, 助教 (20260763)
森崎 龍郎 札幌医科大学, 医学部, 助教 (20404725)
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キーワード | 地域医療 / 情報薬 / 周産期 / 医療クラウド / 医学教育 / ユビキタス / Virtual IX / オーバーレイ・ネットワーク |
研究概要 |
医師偏在解消のためのユビキタス医学教育環境の構築の為に必要な要件について多角的に検討した。今までは、コスト・パーフォーマンスの優れるものを考え、オーバレイ・ネットワークをつかったVirtual IXによる効果の実証を行い、また、北海道南西部広域医療連携ネットワークにて医学教育環境のありかた、そして長年のTV会議システムの運用において必要な技術的要件のみならず、その継続性において必要な要素の洗い出しを行った。その結果、地域医療連携とこのTV会議システムを連携させることが非常に重要で、地域医療連携の基盤となるべきユビキタス医学教育環境の構築の為には、5つのコンポーネントが必須であろうという結論に達した。それは、1.医療機関・医師による情報相互連携システム、2.高機能TVカンファレンスシステム、3.生体情報収集・蓄積・管理システム、4.在宅医療支援・高齢者見守りシステム、5.疾患別地域連携電子化クリニカルパスの5つである。我々の実証事業においては、具体的な疾患別のものとして周産期システムを導入した。これらの5つのコンポーネントを連携させるためには、世界標準は必要ではあるが、それに固執し過ぎては本末転倒で、地域医療や医学教育環境の構築に必要なことは、コスト・パーフォーマンスであり、すでに入っているシステムを活用できることも重要である。TV会議を行うに当たっても、医療機関における患者データが容易に参照できるということが非常に重要である。そこで、我々の考えたのは、これら情報ネットワークの中を流れる情報が薬のように作用する「情報薬」の開発ととらえ、現状の認識から、その実証事業を行い、その結果、今後、必要なものは医療クラウドであろうと結論した。即ち、医療クラウドによる医学教育環境が構築できれば、医療連携をわざわざ考えなくても、極度な標準化システムを考えなくても、すべて医療クラウド側に存在すれば、それはすぐ、「情報薬」として作用し、医師偏在解消のためのシステムとなりうるのである。そこで医療クラウド実現にむけ、次のステップを計画している。
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