研究課題
本萌芽研究の目的は、今現実の治療法として効果をもたらしている「がん」のoncogenomicsの進歩の一つである「がん分子標的療法」の基本となる「治療標的」を如何にして無浸襲的に万弁的に同定出来るかの方法論を考案し、その実現の可能性を検証しようとするものである。その標的の対象として、(1)がん治療標的たんぱく、(2)その標的をコードする遺伝子、(3)mRNAなどが一般的に挙げられる。この3つの因子については、我々を含め世界的に成功していない現状である。特に,期待度の高かった血漿中の核酸については当初の期待に反して、我々の成績と同様に30%前後の検出に過ぎなかった。そこで、今回、22塩基でたんぱくをコードしないsequence-specific base-paringな標的mRNAを調整するmicro RNAに注目した。microRNAはヒトで約474個の種類に分類されている。本microRNAの機能はほとんど分かっていないとも言われているが、一般的には細胞の増殖や分化、細胞死などの様々な細胞内プロセス関わっていると考えられている。従ってmicroRNAの遺伝子の発現レベル定量することは、これらのメカニズムを理解する上で重要である。我々は、現在、poly-come memberのひとつEZH2遺伝子が成人T細胞白血病にてup-regulateし、その機序としてそれに対応するmicroRNAの減少が原因であるとの結果を得ている。一般に、固形がんでは血漿中microRNAは高いとの報告が多いが遺伝子の種類によっては低いことも重要なbiomarkerであることが示された。今後は、「がん」において変動しているmicroRNAと治療標的分子の相互関係を過剰な高低を基準に抽出して、共通する治療標的別に-シグナル別に分類可能なbiomarkerとしての可能性を次年度に検討する。
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