研究概要 |
室内空気室環境については,健康に対して障害をもたらす場合が,多く取り上げられている。シックハウス症候群(元来はシックビルディング症候群であるがここでは本邦の実態に沿った呼び名としてシックハウス症候群を使用し,Sick-House Syndrome : SHSとする)はその代表的な疾患であり,多くの微量の化学物質が,精神-神経-内分泌-免疫系(Psycho-Neuro-Endocrino-Immune Network : PNEI-NW)を介して,多彩なかつ病態生理としてまだまだ不明な症状を惹起することが知られている。今回の課題では,シックハウス症候群など室内空気室の健康障害や,反対に森林浴などでマイナス荷電粒子が優位な状況ではNK細胞活性などの免疫機能の賦活化が生じるなどのの報告を受けて,室内気質の改善あるいは工夫が,健康状態を高める可能性と,特に免疫系に特化してその観察検討システムを構築することを目的とした。第2年度は,初年度に実施したマイナス荷電粒子優位空気質システムのインキュベーターシステムへの導入を目的として,仮想室内環境の免疫影響検査として,当然,実際の住居環境とは異なるものの細胞培養インキュベーター内にマイナス荷電粒子を過剰に投入かつ循環するシステムを構築し,その中で種々の免疫担当細胞の機能検査を行い,通常インキュベーターとの比較の結果を受け,NK活性や,T細胞の刺激に対する増殖能などでは,マイナス荷電優位な環境でそれぞれ亢進するということをまとめた。更に実際に長期居住者の免疫変動の観察の予定を構築しつつある。
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