平成21年度にはLAM幹細胞を肺組織から分離するため、LAM症例の肺組織から効率よく遊離生細胞を採取する条件を検討した。その結果、dispase II 1000U/ml+コラゲナーゼ-ヤクルト120U/ml+0.005%トリプシンインヒビター+0.2mg-1.5mg/ml elastase in 5%牛胎児血清を含むSmBM培地に肺組織を細切したものを懸濁し、37℃ O/N(約16時間振盪)インキュベートした後、100μmのセルストレイナーを通して遊離細胞を含むろ液を50ml遠心管に回収し、培養に移行する方法が細胞の生存率や回収率がよいと結論した。平成21年度には疾患肺組織を得られる機会が少なく、確立した浮遊細胞回収システムを用い、CD133陽性細胞を単離する試みることができなかったため、研究費を繰り越した。繰り越し分の予算を生かして平成22年度に4例のLAM摘出肺に上記処理を適応し、collagen(Type I)-coated 6 well microplateの1wellに移し、37℃、5% CO_2+5% O_2で培養、その後CD133ビーズでCD133陽性細胞の分離を目指した。しかし、原因ははっきりしないが、いずれの機会に十分な生育細胞数が得られず、実質的な結果が得られなかった。この点で、肺組織からの浮遊細胞調整法の再検討が必要であると認識している。
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