研究概要 |
平成21年度(1年目)は以下の技術的検討と動物実験を実施した.技術開発項目として,水素水調整法の確立,水素ガス吸入法の確立,熱電型水素センサーの呼気水素連続測定への応用を行った.市販水素水は水素濃度の低下や品質ムラがあり,本研究計画の水素水飲用実験に供するため.点滴用蒸留水パック内に100%水素ガスを100mL注入し,一昼夜震盪させて安定的に0.4mM水素水を作成することができた.また水素ガス吸入法としては法的認可基準の充填水素ガス1.3%を使用し.安全策を講じたガス混合器を用いて,0.01%(100ppm)~0.1%(1000ppm)の範囲で水素ガス摂取量連続計測に必要な水素濃度を絞り込み目的の水素ガス濃度を調整できるシステムを作った.また,連携研究者らの開発した熱電型水素センサーの特性を利用した呼気水素濃度計測のための呼吸回路を工夫し,熱線流量計を組み合わせbreath-by-breathならびに分時水素摂取量連続計測装置を組み上げた.これにより.連続的な呼気水素モニターが可能になった.また動物試験として,モノクロタリン誘発性肺高血圧ラットに対する水素水効果と急性一酸化炭素中毒ラットの水素ガス吸入効果を検討した.上述の自家製水素水と蒸留水を連日給水したモノクロタリン投与ラットで,死亡率をみたところ,水素水投与群では予想に反し,死亡率が高くなった.現在,この原因の検討を進めている,水素ガス吸入実験として,チャンバー内のSDラットに急性一酸化炭素中毒を起こし,250ppmの水素ガス吸入でのCO動態を検討したところ,CO-Hb濃度の変化は認められなかった.
|