研究概要 |
臨床的にパーキンソン病と診断された症例について,患者の同意のもとに便を採取した.診断基準としてはUK Parkinson's disease brain bank criteriaを使用し,重症度としてはYahr分類で1-3度程度の比較的軽症者を対象とし,手術歴を伴う消化管疾患の既往のあるものは除外した.病歴中便秘の有無について記録した.これにより,コントロール10例,パーキンソン病15例のサンプルを得た.細菌の保存状態の問題を回避する目的で,何らかの理由で入院となった症例を主体としてサンプルを採取した.正常対象としては,患者の配偶者,もしくは年齢及び性別を合致させた上で神経変性疾患以外の疾患で入院となった症例から得た.糞便より標準的な方法によって核酸を抽出した.細菌,古細菌の16S ribosomal DNA (16SrDNA)は前述のEckburgらの方法を参考としてdegenerative primersによるPCR法によって増幅し,得られたPCR産物をTAベクターヘクローニングした.現在直接塩基配列決定法により菌種特定の作業を行っている.
|