研究概要 |
パーキンソン病患者では初発症状,もしくは病初期より便秘があることが多く消化管神経叢でのLewy小体(中枢神経細胞内にみられるパーキンソン病に特徴的な病理所見)の出現が観察されることは,便秘がパーキンソン病患者の脳でみられる病理と同一の原因によるものだと考えるに足る病理学的な裏付けといえる.これは他の神経変性疾患と大きく異なる特徴と言え,何らかの外的因子への接触が発症の原因となっている可能性がある.本研究ではパーキンソン病患者の腸内細菌叢を網羅的に解析し,新規発症原因にせまることを目標とした. 臨床的にパーキンソン病と診断された症例について,患者の同意のもとに便を採取した.糞便より標準的な方法によって核酸を抽出した.細菌,古細菌の16S ribosomal DNA(16SrDNA)は前述のEckburgらの方法を参考としてdegenerative primersによるPCR法によって増幅し,そのDNA断片をDGGE法によって分離,得られたバンドについて配列決定を行った.この結果,パーキンソン病患者特異的に見られる最近についてその名称の決定を行った.成果については現在論文投稿のため準備を行っている.
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