研究課題
自己免疫糖尿病発症に関るBリンパ球とAire遺伝子の意義について、Balb/cマウス、NODマウスにおける検討を遂行中である。Aire遺伝子は、末梢のBリンパ球にマウスの系統に関らず発現していることが確かめられつつある。さらに、Aire KO Balb/cマウスでは、膵島炎のみならず、むしろ膵臓炎の病態を呈することが明らかとなりつつあり、今後、自己抗体の産生の有無、標的抗原の探索が必要と考えられる。一方、ヒトBリンパ球におけるAIREの意義については、マイクロアレイやファックスソーテイングにより、抗原提示に関る分子群にAIREが関っているとの知見が蓄積されつつある。また、AIRE蛋白は蛋白分解阻害剤の影響で、蓄積が認められるが、その程度は軽微であり、蛋白分解よりも翻訳の制御がその発現に関与している要因が高いことが示唆されている。さらに、最近、AIREと相互作用を示しうるmicroRNAの同定に成功し、その意義について、さらに検討を進めている段階である。AIREのの標的蛋白の探索については、アフィニテイ純化C-末端ペプチド抗体を用いて、Western blotを行ったところ、目的の分子量に一致したバンドとそれより短いバンドが検出された。このことはAIRE蛋白の全長とともにそのフラグメントに何らかの意義があることが示唆される。そこで、今後は、免疫沈降法を用いて、目的の蛋白のマススペクトロメトリー解析を行い、その同定を行う。さらに、クロマチン免疫沈降法を用いた、転写因子としての標的遺伝子探索を行う準備が整って来ている。
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New England Journal of Medicine 362
ページ: 761
月刊糖尿病 1
ページ: 31-39
http://www.shs.kyushu-u.ac.jp/nagafuchi/